着物は、日本の特有の文化といえるものです。以前は、日常に着ていた着物も、現在では、晴れの日に着るような服装となっている場合も多いのが実情です。それでも、日本人にとっては、憧れの存在であることも事実で、着物が持つ、独特の華やかさや美しさは、これからも引き継がれていくことでしょう。

現代社会において、日常的に、こういった古風な服装をする人が減っているのには、それなりに理由があってのことです。現代は、自転車やバイクなどに乗る機会も増えましたし、女性でも活発に動き回ることが普通なので、どうしても、動きやすい洋服のパンツやスカートになってしまうのでしょう。

こういった洋服にはない利点というものも、和服には存在しています。それは、体型に合わせて、調節ができるという点では、洋服よりも自由度が高いといえるでしょう。また、天然の繊維で作られていることが多いので、肌が弱い人や子供にも、やさしい衣料品であるともいえます。

何度も洗濯していくうちに、布がやわらかくなって、さらに着心地の良いお気に入りの一着になるものです。もちろん、晴れ着として昔から着ていた和服は、素材も絹などの高価なものが使われていますから、お手入れも大変かもしれません。

着ている最中も、しみなどが出来ないように、細心の注意を払って、慎重に着るものです。そういった、高価な衣類を身に着けることで、無意識のうちにも、しぐさが控えめなものになっていくのかもしれません。

そのような晴れ着と比較すると、浴衣などは、日常着や寝巻きとしても使われていたものですから、気軽に着ることができるといっていいでしょう。

夏に成人式を行う自治体も増えているようですが、その際に、振袖の変わりに、浴衣を着て集まるという光景を目にすることが増えたようですが、こればかりは、正装をするべきである成人式において、どうなのかと疑問に感じている人も多いかもしれません。それだけ、現代の若い人にとっては、着物というものが、珍しいものになってしまっているということの現われともいえるでしょう。

日本人にとって、とても大切にするべき着物が、忘れさられていくよりは、場違いなところであっても、現代の若者たちにとって、身につけることが嬉しいという存在であったほうが良いのかもしれません。現代にとっての和服とは、多くの選択肢のひとつであると同時に、その伝統を大切にしたいものでもあるのです。